設計事務所で家を建てるにあたり、
「設計料」について考えてみました。
住宅メーカーで建てる場合、
いわゆる坪単価に含まれていて、
項目としては発生しない、
かかっても数十万円というケースが大半です。
(見積り上のテクニックの要素もあります)
一方、設計事務所で建てる場合、
建物の規模や諸条件にもよりますが、
数百万円かかるケースがほとんどです。
ここが、多くの方にとって、
設計事務所へ依頼することへの最大のハードル・・・
ちなみに、国土交通省告示第15号で
請求することのできる設計監理業務報酬は
以下①~⑥の合計額とガイドラインが定められています。
①直接人件費
②特別経費
③直接経費
④間接経費
⑤技術料等経費
⑥消費税
一般的な木造2階建て、床面積100㎡を例に、
順番に見ていきましょう。
■①直接人件費: 「従事する延べ時間数 × 時給」で算出します。
告示15号で従事する延べ時間数も定められていて、
木造2階建て・床面積100㎡の場合、
設計531時間 + 監理248時間 = 計779時間です。
これに技師Cに区分される技術者の時給を掛け、
①直接人件費が算出されます。
779時間 × 3,750円 = 2,921,250円 ・・・ ①直接人件費
ちなみに技師Cとは、「上司の包括的な指示のもとに一般的な定型業務を担当する。また、上司の指導のもとに高度な定型業務を担当する。」と定義されています。時給については毎年見直され、3,750円(日給3万円)は平成29年度の金額です。
■②特別経費、これは出張旅費等の経費実費です。
極端に遠方等でない限り、請求されないケースがほとんどです。
■③直接経費および④間接経費については、
告示15号では、略算方法により①直接人件費と同額とすることができると定められています。
③直接経費 + ④間接経費 = ①直接人件費(2,921,250円)
■④技術料等経費は、①直接人件費の0~10%の金額とする設計事務所が多いようです。
ここでは金額が発生しないケースとして計算します。
以上①~⑤の合計金額5,842,500円に対し、
⑥消費税467,400円が発生し、合計6,309,900円の業務報酬となります!
高っけ!業務報酬高っけ!!
ちなみに、150㎡になると8,537,400円ー!!
国土交通大臣、あなたが自宅を建てるとき、
ホントに「この金額こそ適正だ」と払いますか!?笑
残念ながら、国土交通省が示すガイドラインは、
実態とかい離している「絵に描いた餅」状態であるのが現状です。
現実としては、設計事務所が
独自で定めた算出基準に則って請求しています。
多くは、以下A、Bのいずれかで算出しています。
A: 工事費 × ○○%(工事費から算出)
B: 床面積 × ○○万円(床面積×人件費で算出)
○○の部分はさておき、方式としては「B」をおすすめします!
Aの場合、建物の間取りや面積が同じでも高価な材料を使うだけで、
工事費が上がり、設計料も増加します。
逆に、工事費を抑えるために工夫すればするほど、
設計料が下がってしまうため、コストダウンへのインセンティブが
どうしても弱くなってしまいます。
複数の建設業者に相見積もりをしたうえで、
適正かつ安価な工事費で施工できるのが、
設計事務所へ依頼するメリットの大きな一つですから、
B方式を採用しましょう。
(理解したうえでA方式を選ぶのならもちろんOKです)
ちなみに静岡ではB方式で、
床面積(坪) × 7万円~12万円(税抜)くらいが相場です。
35坪の家で265万~455万とかなりの差があります。
提案内容と金額、設計士さんとの相性等、
比較検討する時間を十分とれるスケジュールで臨みましょう!