「仕事・お金」の将来に不安を抱えている人への処方箋としての不動産投資

今となっては、完全に私のメインの収入となっている不動産賃貸業(家賃収入)ですが、今回は私が不動産投資を始めたキッカケについてご紹介します。不動産投資に関心はあるものの、行動に移せずにいる人の参考になれば幸いです。

将来に対する漠然とした不安

私の勤めていたゼネコンは、業績も安定していて、給与も平均よりは少し上だったと思います。それでも、社内では営業成績が上がらず実質クビにされた人、長時間の残業で心身のバランスを崩してしまった人、理不尽な上司と衝突して自ら辞めていった人。再就職が難しいと言われる40代、50代で会社を辞めていく上司、先輩社員を数多く見てきました。

自分が営業部に異動になって成績があがるのか、激務で入院することになったら家族を養っていけるのか、どうしようもない上司の下に異動になったら・・・(幸い、私は上司に恵まれ続けました)。定年まで30年以上、何も問題なく、楽しく働き続けられるなんて、ほぼ不可能と感じていました。

「真面目に働き続ける = 安定」という幻想

現在、私は約4億円の借入を起こして、不動産賃貸業をしています。法人を設立して、会社も辞めました。これだけ聞くと元々リスクを取ってチャレンジするタイプの人間だと思われるかもしれませんが、全くそんなことはありません。

小さい頃から両親や親せきには、「一生安定している公務員になりなさい」と言われて育ちましたし、今でもリスクは当然少ない方がよいと思っています。

そんな私が、このままの生活を続けていくことこそが最大のリスクだと気が付きました。それは「ファイナンシャル・プランニング技能士」の資格学習の一環で「キャッシュフロー表」を勉強したときでした。

キャッシュフロー表とは、家族の年齢を書きだし、子供の誕生や入学、車の購入など将来のライフイベントを記入します。同時にそこに必要なお金も書き出し、10年後、20年後、30年後といった将来の収支バランスを確認するために用います。

以下の基本情報をベースに妻の働き方別に3つのパターンで検証してみました。
■基本情報
①年 収: 500万円(賃金上昇率:年2%)
②定 年: 65歳
③自 宅: 一戸建て(毎月7万円ローン返済)
④子 供: 2人
⑤教 育: 高校まで公立、大学は私立
⑥仕送り: 子供2人が大学在学中に月10万円/人

■検証パターン
A:専業主婦(年収0円)
B:パート(年収120万円)
C:正社員(年収300万円)

■検証結果
A: 終始破たん
B: 2回破たん(子供2人が大学生のときと老後)
C: 老後医療費がかからなければ成立

衝撃的でした。両親や親せきに小さい頃から言われてきたとおり、真面目に定年まで勤めあげても、妻に正社員で働いてもらわないと、自分が親にしてもらったことを、自分は子供にしてあげることすらままならない。安定だと思い込んでいた現状維持が、そのまま行けば経済的に破たんするレール上にあるなんて。

同時に、決して裕福ではない両親がどれだけ大変な思いをしながら、私に何不自由ない学生生活を送らせてくれたのか、あらためて両親に感謝しました。

こうして私は、給与所得以外の収入を確保する決意をしました。