購入物件を大公開!1棟目「埼玉県越谷市・木造アパート」

1棟目に購入した物件は、埼玉県越谷市の木造アパートでした。2011年3月に購入し、2016年6月まで5年3ヶ月保有して売却しました。

5年3ヶ月で約2,400万円を生み出し、不動産投資を順調にスタートさせてくれた物件です。購入から売却までの全収支はこちら

これから不動産投資を始めようと思っている方の参考になると思いますので、物件取得までの流れをご紹介します。

2011年の元旦に「年間キャッシュフロー120万円以上の達成」という目標を立てました。早速、1月9日にネットで見た横浜の不動産会社を訪問したところ、札幌市内の6,000万円のマンションを勧められました。

当時、「札幌」や「6,000万円」はまったくイメージしていませんでしたし、雪国の事情を理解していないことは大きなリスク(私にとっては)と捉え、具体的に話を進めることはしませんでした。

1月28日、東京出張の帰りの新幹線で、埼玉の不動産業者Cの営業Sさんからメールがありました。

Sさん
18世帯満室、13.2%高利回り物件が出ました。スルガ銀行で90%融資が可能です。すぐに買付申込みが入る物件かと思います。

以下、メールに添付されていた物件概要書に記載されていた内容です。
・所 在: 埼玉県越谷市
・交 通: 東部伊勢崎線 最寄駅から徒歩18分
・土 地: 宅地・326.10㎡
・建 物: 木造スレート2階建て・302.4㎡
・築年月: 昭和63年3月
・価 格: 5,500万円
・間取り: 1K × 18室
・入 居: 満室(18/18室)
・賃 料: 603,000円/月(7,236,000円/年)
・利回り: 13.2%

東京に近い、埼玉県南部の土地の値段は、坪40~50万円のイメージでした。ネットで越谷市の売地情報を検索すると、坪48万円程度で売りに出されていました。

今回の越谷市の物件は、地積約100坪なので、土地価格だけでも5,000万円近い価値がある計算になります。建物は築23年(当時)経過していましたが、土地値がこれだけあれば、売却時の出口戦略上も問題ないと思いました。

すぐに新幹線のデッキからSさんに電話をし、内容を確認したあと、買付申込書を当日中に返信しました。今思い返してみると、1棟目で5,500万円の物件に即日買付とはなかなかの怖いもの知らずです笑

所詮は買付申込書ですから、「その後、本格的に検討しダメなら止めればいい」くらいの気持ちでいないと、良い物件を買い損なってしまいます。

特に1棟目の購入を検討している方は、勝手もわからず不安に感じると思いますが、買付申込みは気軽に捉えてもらってOKです!

約2週間後の2/12(土)に現地を見に行くことにしました。その間、同時並行でスルガ銀行の審査も進めます。物件自体は融資承認が出ているため、私自身が主な審査対象でしたが、特に問題もなく承認されました。

途中、妻を連帯保証人にすることの打診がありましたが、そこはハッキリとお断りしました。「妻を連帯保証人にしない」というのが、私が自らに課した絶対条件でしたので、それで融資が降りないようであれば仕方ないという感覚でした。

現地見学当日。この物件は満室のため、部屋の内部は見ることができません。付近の状況や建物の外部を確認しました。築23年経過していましたが、基礎に問題のあるようなクラックもなく、外壁はメンテナンスされていたため、一部コーキングが劣化していた以外は、特に問題ありませんでした。建築業界に身を置く私から見ても、築年数の割に良い状態でした。

キャッシュフロー面も検証します。18室満室、月額賃料603,000円、利回り13.2%で、表面上は何の問題ありません。スルガ銀行の融資金利(4.5%)を差し引いたイールドギャップも8.7%あります。私の投資判断基準の1つである「イールドギャップ6%以上」をクリアしています。

最新のレントロール内容

101号室: 40,000円
102号室: 30,000円(法人H)
103号室: 30,000円(法人H)
104号室: 40,000円
105号室: 30,000円(法人H)
106号室: 32,000円(フィリピン人)
107号室: 32,000円
108号室: 32,000円(フィリピン人)
109号室: 32,000円(フィリピン人)
201号室: 42,000円
202号室: 32,000円(フィリピン人)
203号室: 30,000円
204号室: 32,000円
205号室: 30,000円(法人H)
206号室: 32,000円
207号室: 34,000円
208号室: 32,000円(フィリピン人)
209号室: 41,000円

42,000円の賃料が取れている部屋もありますが、30,000円の部屋も複数あります。この物件の現在の適正賃料は30,000円と判断しました。すると、月額賃料は30,000円×18室=540,000円が適正賃料になります。年間賃料は6,480,000円となり、利回り約11.8%に低下します。

この、現在の適正賃料で収支を計算し直してもクリアしていたので、2月23日を契約日に設定しました。1つの法人が4部屋賃貸していたので、一斉退去に不安は残すものの、長期間賃貸されていたので良しとしました。

また、近くのパン工場に勤務されているフィリピン人の方が5名いらっしゃいました。外国籍の入居者は家賃の滞納があっても、国に帰られてしまうと正直、手の打ちようがありませんので、滞納がある場合は要注意です。幸い、管理会社の確認してもらいましたが、5名とも真面目な方で、過去1度も滞納していないということでした。

売買契約は、事前に重要事項説明書と契約書をPDFで確認したので、当日は署名・捺印するだけの形式的な内容でした。

3月7日にはスルガ銀行との金消契約(「きんしょう」契約と読みます。金銭消費貸借契約の略です。)も済ませ、あとは3月14日に設定した決済を待つだけとなりました。

2011年3月11日 14時46分 「東日本大震災」発生

数10mの高さの津波が町や人々を飲み込み、福島原子力発電所で発生した水素爆発。にわかには現実と信じられない映像がテレビから次々と流れてきます。

決済はスルガ銀行の新宿支店で行うことになっていたので、妻は決済を延期してほしいと言っていましたが、相手方(売主)もいることですし、予定通り決行することにしました。

東京に向かう新幹線の中は、震度5以上の余震が発生する度に、車内中の携帯からアラームが鳴り響く異常な雰囲気でしたが、着いてしまうと決済も滞りなく無事完了し、こうして私は1棟目の物件を取得しました。

やや危なっかしい部分もありましたが、最初の一歩を踏み出したことがとても意義のあることだったと思います。