気密測定してみたら予想を上回る超絶性能だった件

本日、気密測定を実施しました。気密測定とは、「家の中で管理できていない隙間がどれだけあるか」を測定する試験のことを言います。

隙間の量を表す数値を「隙間相当面積(C値)」といい、単位は「c㎡/㎡」で表します。これは、床面積1㎡当たり、隙間が何c㎡あるかを表した数値です。

例えば約40坪(132㎡)の家で、C値が「2.0c㎡/㎡」だった場合、132㎡ × 2.0c㎡ = 264c㎡の隙間があることになります。

官製はがき1枚が148c㎡ですから、家中で官製はがき2枚弱の管理できていない隙間があることを意味します。

隙間があることのデメリット

管理できていない隙間があると、そこから熱が出入してしまうので、断熱性(Q値)にも一定の影響があります。冷暖房効率に不利に働きます。

また、建物内外の温度差によって、隙間部分の躯体内結露の原因にもなり得るため、管理できていない隙間は少ないに越したことはありません。

ちなみに平成11年の次世代省エネ基準では、C値=2.0c㎡/㎡が目標値として定められました(平成25年の改正ではC値に関する基準は撤廃されています)。

我が家は設計段階から「C値=1.0c㎡/㎡以下」をクライテリアとして定め、気密対策を検討・実施してきました。

測定方法について

測定方法については、JISで定められています(JIS A2201)。その中で「基本的に建物の完成状態で測定する」とありますが、これはあまりおすすめできません。

完成時に測定したのでは、目標の数値に到達しなかった場合、手直しできる範囲が限られてしまうためです。クロスやボードを剥がして隙間を埋めることは現実的ではありません。

そのため、サッシの取付けが完了し、できれば内部のボードを張る前くらいのタイミングで実施するのがおすすめです。

この時点で目標を上回る数値であれば、そこから大きく気密性が下がることは考えにくいですし、隙間が多かった場合でも、手直しできる部分が多くあります。

具体的には、測定時に外から空気が流入してくる箇所がわかるので、その部分にコーキング処理を施す等で隙間を埋める等の対策ができます。

測定結果について

測定業者(日本住環境株式会社)によって、機材の設置や目張りを終え、いよいよ測定開始です。

≪ 1回目 ≫
測定を開始し、徐々に圧力をかけていくとどこからか気流を感じます。木製サッシからでした。どうやら木製サッシが1ヶ所だけ反っていて、パッキンが効いていない状態でした。

エラー表示で測定が終了します。隙間特性値(n値)が2を超えていました。

隙間特性値(n値)とは、1~2の値で表示され、1に近い方が細かい隙間が存在していることを表し、2に近い方が大きな隙間が存在していることを表します。この数値が2を超えると、データ異常で再測定になります。

≪ 2回目 ≫
応急処置として、木製サッシの隙間を気密テープで目張りし、再度測定を開始しました。木製サッシからの空気の流入はありません。順調に測定が進んでいきます。

測定結果が出ました。

「 C値 = 0.5c㎡/㎡ 」!!!

これだけ大きなサッシを採用して、ほぼ現場施工という条件で、この数値は、私の経験の中でもありえないくらい優秀な数値です。現場の職人さんと監督さんがどれだけ丁寧に仕事をしてくれたかが分かります。

しかも、玄関ドアはまだ取り付けてなく、目張りも不十分な状態でした。通常、C値が1.0c㎡/㎡を切るような高気密住宅であれば、n値も1.0に近い数字なはずですが、今回は1.7もあります。これは細かい隙間もほとんどなく、1ヶ所だけ大きな隙間があるということを示しています。

測定中、玄関から空気の流入を感じたので、流入元は玄関で間違いありません。今後、玄関ドアを施工し、適切な気密処理を行えば、最終的なC値は0.3c㎡/㎡くらいになると推測しています。

C値については、当初のクライテリアであった「1.0c㎡/㎡以下」をクリアしていれば何も問題ないと思いますが、その2倍の気密性を持った家に仕上げてくれた関係者の皆さんの優秀さが実証され、何よりもそのことがとても嬉しく感じました。